目から鱗の歯周病の正体とは?
「歯周病は細菌が原因」と言われて久しいですが、
本当にそれだけでしょうか?
大学院時代から歯周病を研究してきた私・秋山が、ある"1冊の本"との出会いをきっかけに、
歯周病の常識を根底から覆された話をお届けします。
1. 研究漬けの日々と"分子生物学ショック"
大学院時代、私は病理学教室に在籍し、
診療後に大学院に通う日々を送っていました。
顕微鏡とデータと格闘しながら、「DNA?PCR?なにそれ?」と戸惑う毎日。
今では歯内療法学の教授になられた林先生に、
何度も初歩的な質問をしては助けられました。
今思えば、あのときがすべての原点です。
2. 歯周病とは何か?(ここまでは常識編)
歯周病は、歯垢(プラーク)の中の細菌が引き起こす慢性疾患。
そのため「いかに細菌を殺すか」が長年の治療の主流でした。
最近では、細菌のバランスを整える「プロバイオティクス」的な考え方も広まりつつあります。
とはいえ、基本は"細菌との戦い"という構図に変わりありません。
……が、ここからが面白いところです。
3. 一冊の本が変えた価値観
2017年、自然食品を扱う「ナチュラルハーモニー」さんで講演することになり、
資料を探しに母校の図書館へ行ったときのこと。
偶然手に取ったのが『食生活と身体の退化』という本でした。

「なんだこの本は?」と思いつつ開いてみると、
そこには"虫歯や歯周病は食べ物の変化から始まった"という驚きの記述。
「え?細菌のせいじゃないの?」と頭が混乱しました。
——講演どころではありません。
構成を全部ひっくり返したくなるほどの衝撃。
でも、読み進めるうちに納得してしまったのです。
「そうか、歯周病は"食"の問題でもあるんだ」と。
4. 食と身体、そして歯ぐきの関係
その後、私は自然栽培の農家さんたちと交流を重ね、
「食と身体」の関係を探っていきました。
興味深いことに、自然派の方ほど歯を失うことが多い。
歯磨きをしない、あるいは"菌と共存する"考えの方も少なくありません。
つまり、"自然"は大切だが、口の中の健康には別のバランスが必要なのです。
5. 実際にあった出来事
ある日、自然栽培農家の方が当院を訪れました。
歯ぐきの腫れを訴えられ、診ると深いポケットが。
「噛み合わせも含めて専門的な治療を」と助言し、
ご自宅近くの歯周病専門医を紹介しました。
数ヶ月後、その方から電話がありました。
「先生、歯石を取ってもらってから、歯ぐきがスッキリしただけでなく、
身体の"感性的な疲れ"がなくなったんです!」と。
歯周病の治療が、全身のコンディションまで変えてしまったのです。
まとめ
歯周病とは——
細菌の病気でもあり、
食の病気でもあり、
そして身体全体のサインなのかもしれません。
歯ぐきの腫れや出血は、
あなたの"生き方そのもの"が映し出されている鏡。
秋山歯科では、
「食」と「医療」、そして「あなたの身体」をひとつながりとして見つめ、
歯周病の本質的な改善を目指しています。
院長コメント
歯周病は、ただの歯ぐきの病気ではありません。
私自身が研究と経験を通して感じたのは、
"体の声"が歯ぐきに現れるということです。
食べること、暮らすこと、整えること——
それが、治療の第一歩かもしれません。
秋山歯科医院 院長 秋山浩教
