良い入れ歯って何?
患者さんにとって良い入れ歯って何でしょう?

保険ですぐ出来て、ぴったりはまり、良く噛める入れ歯?
もちろん人によってそれは様々だと思いますが、おおかたこんな感じではないでしょうか?
一方、秋山歯科が考える「体も治す入れ歯治療」とは
姿勢から始まる秋山歯科の噛み合わせ治療の経験から、私は入れ歯治療においても、ある一つの大切なことに気づきました。
それは、「お口のバランス」が、歯が残っている・いないにかかわらず、人間にとって非常に重要であるということです。
このお口のバランスこそが、全身のバランスに大きな影響を及ぼすのです。
入れ歯の高さは、実に重要です。
お口のバランスは体のバランスとの"相似像"とも言えます。お口の筋肉バランスが崩れていれば、もちろん体のバランスも崩れます。
その結果、顎の筋肉が誤作動を起こし、噛みづらさへとつながっていくのです。
車で言えば、どこか一つのタイヤの空気圧が減っているようなものです。
4つのタイヤの空気圧がすべて正常な状態――つまりお口では、入れ歯の高さが適正な状態――を導き出すことで、初めて"しっかり噛める入れ歯"ができるのです。
規格模型という考え方
この理想を実現させるのが、「規格模型」という考え方です。
噛み合わせの学会でも、この規格模型にこだわっている団体はほとんどありません。
この考え方は、当院が連携している歯科技工所「和田精密歯研」によって提唱されました。
日本人700人の健康な方々を対象に、お口のバランスを司る規格値を細かく統計的に算出したのです。
歯科の多くのデータが欧米人をモデルにしている中で、日本人を対象とした規格を導き出したというのは、実に画期的なことでした。
バランスの重要性
歯を失うということは、確実にお口のバランスが崩れるということです。
もともとのバランスの悪さによって噛み合わせや歯ぎしりが起こり、歯がダメになっていく――そんな悪循環が存在します。
特に、歯のない状態で長く過ごしていると、前後左右のバランスは著しく乱れています。
その状態でどんなに高価な入れ歯を作っても、結局は「バランスの悪い車を運転している」のと同じなのです。
そこで、まず歯の型を取ったら、「規格模型」のサイズに当てはめてみます。
すると、前後左右の歪みが一目瞭然に現れます。
この歪みを補正していくことで、体のバランスまで整える入れ歯が完成するのです。
匠の技
補足になりますが、入れ歯ほど作り手である歯科技工士の腕が現れるものはありません。
その世界は、まさに"匠"の領域です。当院で実際に入れ歯作りをしていて感じることは、匠の技で作る入れ歯は、途中の段階に於いてさえほとんど調整がないことは事実です。これにはいつも驚かされます。
当院が信頼してお任せしている歯科技工所――『土田デンタルラボ』をご紹介します。
同ラボは、私たちも所属している勉強会「先端口腔機能研究所」を主宰されています。
(https://sentankinou.jimdofree.com)
これからの時代
インプラント全盛の現代ですが、超高齢社会を迎えた今の日本ではインプラントの短所も見逃せません。
特に、緊急入院時のケアなどでは不安が生じる場合もあります。
もしかすると、これからは「入れ歯がインプラントを救う」――そんな時代が来るかもしれませんね。
